性能・備え

C値は平均値か実測値か|気密測定の回数と時期を確認する

C値は、会社案内に載る代表値だけでは自分の家の気密性を判断できません。目標値、過去物件の平均、個別住宅の実測値、保証する上限を分け、測る時期と報告書まで契約条件として比べる必要があります。

建築中の住宅で気密を測るファンと測定器
福島の気候に、どう備える?
この記事で分かること
  1. 対象建物と測定条件が違う数値を横並びにしない理由
  2. 試験方法と報告書の項目を一組で読み分ける
  3. 気密測定の質問票を見積と工程表へ反映

C値は表示の種類と契約上の扱いの区分

表示されたC値追加で必要な情報比較上の扱い
目標値対象住宅、達成できない場合の対応契約基準とは分ける
平均値棟数、期間、測定対象、ばらつき施工実績の傾向として見る
個別実測値測る時期、方法、報告書自邸の結果として保存する
保証する上限補修、再測定、費用負担契約条件として照合する

測定結果が目標を外れた時

測定結果が目標を外れた時、原因箇所の探索、補修、再測定を誰の費用でどこまで行うかを先に決めます。目標値と契約上の基準値が違う場合は、その差も書面で明示します。

C値の住宅性能全体における位置付け

小さい数値を競うことだけが目的になると、間取り、窓、換気、施工の再現性とのバランスを失います。気密性が換気計画や温熱環境にどう関わるかを聞き、住宅性能全体の中で位置付けます。

対象建物と測定条件が異なる数値を横並びにしない理由

C値は、住宅の気密性能試験で得る指標です

C値は、住宅の気密性能試験で得る指標です。設計図から求める外皮平均熱貫流率とは性格が異なり、対象住宅や測定条件が違う数値をそのまま横並びにはできません。算定式と面積の定義は、JIS本文または公式解説と測定報告書で照合します。

会社が示すC値の種類と対象棟の確認

会社が掲げる数値が、設計目標、過去の平均、過去の最良例、全棟で守る基準のどれかを聞きます。平均なら対象棟数、期間、地域、測定を省いた住宅の有無を併記してもらい、自分の住宅で測る約束とは分けて評価します。

測定条件と報告書の読み方

気密測定では、室内外に圧力差をつくり、空気の流量から建物のすき間を求めます。換気口などを測定時にどう扱ったか、完成時の設備がどこまで付いていたかは、報告書で比べる条件です。JIS A 2201『送風機による住宅等の気密性能試験方法』との関係、測定方法、機器、担当者を一組で読み取ります。

参照元:日本規格協会 JIS A 2201:2017 送風機による住宅等の気密性能試験方法:https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/?bunsyo_id=JIS+A+2201%3A2017/日本規格協会 JIS A 2201 プレビュー・適用範囲(PDF):https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_a_02201_000_000_2017_j_ed10_ch.pdf

モデルハウス、過去の平均、会社目標、自宅の実測

モデルハウス、過去の平均、会社目標、自宅の実測は別の情報です。平均値が良くても自宅の測定を行うとは限らず、自宅の中間測定が良くても完成時に新しい貫通部が増えることがあります。広告の一つの数字を比べるのではなく、対象建物、測定時期、方法、結果、補修の有無を一組で記録します。

測定した建物の範囲と塞いだ場所を図示

床面積の扱い、増改築部分、玄関土間、床下や小屋裏を測定範囲に含むかも報告書で見ます。難しい用語をすべて理解する必要はありません。各社へ同じ書式で『測った建物の範囲』『一時的に塞いだ場所』『通常の開閉状態にした場所』を図で示してもらうと、数値の前提を比べやすくなります。

測定時の気象条件と採用結果の確認

測定時の風や室内外温度など、試験に影響する条件も報告書に記録されます。施主が数値を補正する必要はありませんが、測定者が有効な結果と判断したか、再測定した場合にどの結果を採用したかを聞きます。良い結果が出た一回だけを選ぶのではなく、測定記録と計算過程を一式で受け取ると後から説明をたどれます。

試験方法と報告書の項目を一組で読む方法

JIS A 2201と測定方法の確認

日本産業規格JIS A 2201の名称は『送風機による住宅等の気密性能試験方法』です。住宅会社には、この規格との関係、使用する測定方法と機器、測定者、開口部や換気口の処理、測定結果の算定方法を説明してもらいます。規格名を正確に書いた報告書なら、広告上の呼び方と試験方法を混同せずに読めます。

参照元:日本規格協会 JIS A 2201:2017 送風機による住宅等の気密性能試験方法:https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/?bunsyo_id=JIS+A+2201%3A2017/日本規格協会 JIS A 2201 プレビュー・適用範囲(PDF):https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_a_02201_000_000_2017_j_ed10_ch.pdf

測定条件と結果を報告書へ記録

報告書には、建物名、測定日、測定時の工事状況、床面積、測定の条件、結果を残します。C値だけを口頭で聞くのではなく、どの状態の住宅を測った数値かを後からたどれる資料にします。

C値の算定方法と規格の範囲の区分

C値は、測定で求めた建物全体の相当すき間面積を床面積で割り、平方センチメートル毎平方メートルで表す値です。値が小さいほど、同じ測定条件下で床面積当たりのすき間が少ないことを示します。JIS A 2201は試験方法を扱う規格であり、個々の住宅会社が掲げる目標値や保証値を一律に決める資料ではありません。

参照元:日本規格協会 JIS A 2201:2017 送風機による住宅等の気密性能試験方法:https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/?bunsyo_id=JIS+A+2201%3A2017/日本規格協会 JIS A 2201 プレビュー・適用範囲(PDF):https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_a_02201_000_000_2017_j_ed10_ch.pdf

相当すき間面積と床面積の読み分け

報告書では、C値だけでなく、算定に用いた相当すき間面積、床面積、単位を一組で読みます。各数値の定義や対象範囲は、JIS本文または公式解説と測定者の報告書で照合し、分からない点は測定者へ尋ねます。

報告書を受け取ったら

報告書を受け取ったら、C値だけを転記せず、相当すき間面積、計算に使った床面積、単位を同じ行へ置きます。広告の数値と自宅の数値が違う時は、良し悪しを即断せず、対象住宅、測った時点、床面積の扱いが同じかを先に質問します。断熱や換気はそれぞれの計算書・図面で読み、C値を別の性能の代わりにしません。

相当すき間面積

相当すき間面積は、建物内のすき間を一か所へ集めた面積として表す考え方で、実際に同じ大きさの穴が一つあるという意味ではありません。漏気は窓周り、床と壁、天井、設備貫通などへ分散します。数値が目標を外れた場合は、総面積だけで場所を断定せず、現場調査で原因候補を探します。

中間測定と完成測定の目的の区分

内装で隠れる前の測定

内装で隠れる前の測定は漏気箇所を補修しやすいのに対し、完成時の測定は仕上げや設備工事を終えた最終状態を知る機会です。配管や配線の貫通部、窓周りへ手を入れられる時期を踏まえ、一回か二段階かを費用と補修可能性で決めます。

測定時期と施工段階を工程表で特定

一回測定するという約束だけでは、測る時期が曖昧です。気密層が連続し、補修箇所へ近づける工事段階を施工者から示してもらい、完成時にも測る場合は双方の判定基準を分けます。

内装で隠れる前の中間測定

どちらか一回が常に正解ではなく、会社の施工手順と測定後の対応で選びます。

中間測定と完成測定の選び方

二回測る案では費用が増えますが、中間で改善し、完成で最終状態を残せます。一回だけなら、補修可能性を優先して中間にするのか、完成状態を優先するのかを決めます。測定時期が『工事中』だけでは曖昧なので、窓、気密シート、配管、換気設備、内装がどこまで施工済みかを工程表へ記します。

自宅を測らない場合の施工根拠の質問項目

測定の有無だけで施工品質の高低を決めず、C値を性能として訴求する会社には、自宅を測らない場合に何を根拠とするのかを尋ねます。施工標準、現場検査、過去の測定分布、第三者測定の可否を並べ、設計上の約束と完成後に受け取る証拠を分けます。

中間測定後の貫通工事と検査担当の判断条件

中間測定後に追加される配線、配管、換気ダクト、設備の貫通を一覧にします。後工程で気密層を通る工事には、誰が穴を処理し、誰が検査するかを決めます。完成測定をしない場合でも、後から開けた場所の写真と検査記録を残せば、中間値を維持する施工管理の考え方を確認できます。

測定結果の扱いを会社ごとに聞く項目

JISが定める試験方法と契約対応の区分

JIS A 2201が規定するのは、送風機で建物内外に圧力差を生じさせて気密性能を試験する方法です。目標値を外れた住宅の補修義務、費用負担、再測定回数、契約上の救済方法までは定めていません。測定方法の事実と、各社が提示する施工・契約上の対応を分けて読みます。

参照元:日本規格協会 JIS A 2201:2017 送風機による住宅等の気密性能試験方法:https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/?bunsyo_id=JIS+A+2201%3A2017/日本規格協会 JIS A 2201 プレビュー・適用範囲(PDF):https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_a_02201_000_000_2017_j_ed10_ch.pdf

家族がC値を会社選びの条件にするなら

家族がC値を会社選びの条件にするなら、目標値、測定時期、測定費用、報告書の受取方法を同じ質問票で聞きます。さらに目標を外れた場合について、原因を調べるか、補修を提案するか、再測定するかを各社自身の対応として書いてもらいます。一律の標準手順として要求するものではありません。

測定時期と結果後の対応を会社ごとに比べる比較

たとえばA社が『中間時に測り、結果を見て対応を協議』、B社が『完成時のみ測定』と答えたなら、数値だけで横並びにしません。家族は、問題を見つけられる時点、追加費用の説明時点、完成後に受け取れる記録を比べます。回答のない部分を、一般論や他社の運用で補わないようにします。

測定を契約条件として扱いたい場合

測定を契約条件として扱いたい場合は、実施時期、判定基準、受け取る報告書、基準外となった時の対応を、どの合意書面に残せるか住宅会社へ尋ねます。契約書、仕様書、見積書などのうち、合意内容を反映する書面と版を確かめ、口頭の営業説明だけで決めません。家族は、測定の目的から結果の扱いまで一貫して説明できる提案を選びます。

断熱と換気の資料を並べて判断する表

C値と断熱・換気計画を分けた確認

建築物省エネ法に基づく省エネ性能の説明では、外皮や一次エネルギー消費量など別の指標も扱われます。C値が小さいことだけで断熱性能、暖房費、結露の発生を断定せず、窓、断熱層、熱橋、換気設備の計画を同じ提案書で見ます。

結露対策と各社の回答を四項目で比べる比較

結露と湿気の計画も合わせて質問し、各社比較では数値、測定、現場補修、住み始めてからの換気説明を四列に分けます。

測定結果を施工改善へ戻せる体制の確認

測定値を出すだけでなく、結果を施工改善へ戻せる体制かどうかで最終判断します。

気密測定の質問票を見積と工程表へ反映する方法

  • C値は自宅の実測値、過去平均、会社目標のどれか
  • JIS A 2201に基づくか、測定範囲と開口部の処理は何か
  • 中間・完成のどの時期に、どの施工状態で測るか
  • 目標を外れた時に誰が調査し、どこまで補修・再測定するか
  • 測定費と再測定費は見積のどこに含まれるか
  • 報告書、補修写真、換気図を引渡し時に受け取れるか

気密測定の九項目を住宅会社へ質問する項目

住宅会社には、目標、実測の有無、測定時期、測定者、方法、費用、報告書、補修、再測定を同じ順で質問します。『全棟測定』という回答には、自宅が対象か、施主が立ち会えるか、報告書を受け取れるかまで続けます。過去実績を示す場合は、平均だけでなく件数と測定時期の範囲を聞きます。

測定費と補修期間を見積・工程表へ入れる項目

見積では、測定費、再測定費、第三者へ依頼する場合の調整費まで分けてもらいます。工程表には、測定前に必要な施工、測定結果を受け取る日、補修のために止められる期間を入れます。測っても内装工事が先に進んで補修できなければ目的を果たしにくいため、結果を現場へ戻す時間があるかが重要です。

測定報告と換気計画を引渡しまでつなぐ資料

最終的には次の資料が同じ自宅へひも付くかを見ます。断熱・省エネ性能の計算、換気図、気密測定報告、補修記録、引渡し時の設備説明です。C値の順位を競うより、計画した空気の流れを施工と維持管理までつなげられる会社を選びます。

第三者へ測定を依頼する場合

第三者へ測定を依頼する場合は、住宅会社との日程調整、建物を測定可能な状態にする責任、結果の共有先を決めます。第三者という名称だけで中立性を断定せず、使用機器、資格や経験、報告書の様式も見ておきます。結果に差が出た時は、先に測定条件を照合し、どちらかの値だけを採る前に原因を説明してもらいます。

報告書に建物名と測定条件がそろうかの確認

報告書には、建物名または住所、測定日、測定者、機器、測定範囲、床面積、相当すき間面積、C値、開口部の処理、測定結果の判定がそろうかを見ます。自宅の報告書であることを確かめ、広告用の抜粋だけで済ませません。測定時の写真と工程表も一緒に残すと、どの施工段階の値かを将来説明できます。

測定後に窓や換気設備を変更した場合

測定後に窓や換気設備を変更した場合は、結果へ影響する範囲を設計者に聞き、報告書へ変更履歴を添えます。補修と再測定をした場合は、すべての版を時系列で保管します。

この記事のまとめ

採用する会社には、自邸の測定実施、測る時期、判定基準、報告書の交付、基準外だった場合の補修と再測定を一続きで書面化してもらいます。平均値だけを示す提案は、個別測定の条件が整うまで比較表で別扱いにします。